虹色ほたる 〜永遠の夏休み

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ずっと前に新聞に載っていたこの本の広告を見て、普段小説をほとんど読まないワタシがめずらしく読んでみたいなあと思って買った本当に本当に久々の作品。 エッセイとか写真関係の本は普段から本屋さんでもチェックしてちょこちょこ買っているのですが、小説はなんと!!!・・・かれこれもう10年以上も買っていなかったのです。

20代は一時期恋愛小説や推理小説が好きな時期があってそのへんのジャンルを買ったり、10代は友達の影響で新井素子さんのSF小説や、好きな映画をノベライズした作品を読んだり、さらにその前、小学校の頃とかは今で言うハリー・ポッターみたいな魔法使いが出てくるようなファンタジー小説や江戸川乱歩の少年探偵団シリーズetc・・・と、もともと小説や物語を読むのは嫌いではなかったハズなのですが、なぜか買ってまで読みたいと思えなくてずっと遠ざかっていた、その世界に再び足を踏み入れさせてくれたこの本。
確かその時の広告に、昭和の、まだダムに沈む前の村に夏休みを迎えた小学生の男の子がタイムスリップするという簡単な概略が書かれていて。 「昭和」「ダムに沈む前の村」「夏休み」「タイムスリップ」・・・思わず胸にきゅんと来るキーワードが満載の物語に興味をひかれずにはいられませんでした。


正直、出だしはもうひとつかな・・・?という感じだったのですが、読み進めていくうちに作者の方の文章力や描写力がだんだん格段にうまくなっていって、ストーリーにひきこまれていきました。
少しだけネタバレになってしまうのですが、小学生の男の子がタイムスリップするという話なので、恋愛方面のストーリーの広がりはせいぜい淡い初恋程度のもので、ほとんどないだろうなと思っていたのですが・・・ここがまた意外で、最終章の展開にはちょっとびっくりしました。

この最終章へかけての展開は、物語が持っている色どりのようなもの、物語全体の雰囲気を考えたらもしかしたら蛇足だという見方もできるかも知れないのですが、でもそのおかげで、この話が単なる昭和の子供時代やダムに沈んでしまった村への読み手側のノスタルジーに依存した話ではない、ちゃんと「今」を生きることのたいせつさとか、過去や今のこの瞬間が未来へとつながっていっているということを示している内容になっていて、個人的には何とも言えない前向きでロマンチックで幸せな読後感を感じることができました。


この本、これを買った梅田の紀伊国屋書店では小学校高学年〜中学生ぐらい向けの児童書のコーナーに置いてありました。
本当のプロの作家の方が書かれた小説にくらべたら確かにいろいろと劣る面も多いとは思うのですが、難しいことは抜きにして、子供の頃に本を読んでいた時と同じような気持ちで本を楽しみたいと思う方、また楽しめる大人の方に、この本、ぜひおすすめです^ ^♪
きっとこの本の作者の方も、いろんなことがあっても子供の頃の純粋な心を今でも忘れずに持ち続けている素敵な方なんだろうなあと思いました。

ワタシは田舎の生まれだから、時間によって移り変わる空の色やそれに照らされた田んぼや草木などの自然の風景描写、川や神社、お祭りの様子は懐かしかったナ・・・。
お話の中に登場する宮舞(みやまい)ホタルほどたくさんではないけど、子供の頃住んでいた町にもまだ少しだけホタルがいて、夏の夜、近くの田んぼの周辺を飛んでいたのを今でも憶えています。



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by manasavvy | 2008-10-19 12:46 | ・本・マンガ・雑誌


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