昨年ブログの中で紹介した
「ハコイヌ」というDVDの記事、覚えてくださっている方もおられるかと思いますが、この「ハコイヌ」のDVDはタワレコに行った時に偶然見つけたモノ。
その後もタワレコに寄るたびに、世界各国のアニメ作品や、人形アニメなど実写版のアニメ作品を置いているコーナーだけはいつも欠かさずチェックしていて、オモシロそうだなと思う作品も多いのですが、最近おいしいお店に食べに行ったりしているぶん、あんまりDVDもホイホイ買えないな〜と思い、買い控えております(; ;)
それならレンタルで借りられないかと思いTSUTAYAに行って探してみたのですが、見たいと思う作品を置いてなくてちょっとガッカリしていたところへ、ふと目に飛び込んできたのがこの「ペイネ・愛の世界旅行」の背表紙タイトルでした★
この作者のレイモン・ペイネの絵、かなり昔から、本や雑誌でなのかグッズとかでなのかわからないけれど、とにかくどこかで何回も見かけたことがあって、詳しいことはまったく知らないくせに妙になじみ深い絵として頭の中にインプットされていました。
可愛い恋人同士のイラストの雰囲気からして、外国版「チッチとサリー」みたいな感じのほんわかしたお話なのかなあと漠然と思っていたのですが( 「チッチとサリー」!自分ながら懐かしいです・・・)、この映画が公開された1974年前後の世界情勢に対する風刺を込めたメッセージ性の強い作品で、その時代のムードが、内容はもちろん、絵のタッチやノスタルジックな色合い、アニメーションの動き、登場人物のファッション、etc.etc. いろいろな面で色濃く反映されていてとても楽しめました。
バレンチノとバレンチナという恋人同士のふたりが、‘ラブ・パスポート’を手に入れ世界中を旅して回るストーリーなのですが、ワールドワイドな空間だけでなく時間すらも越え、例えばキリストの誕生まもなくの現場に立ち会ったり、ウィリアム・テルやイギリスのビクトリア女王に会ったり、はたまたふたりがレンブラントの絵の中に入ってしまったかのようなシーンや、モナリザがルーブル美術館を抜け出し、セーヌ河のほとりのベンチに座っている時に男性に声をかけられているシーンがあったりと、次々に場面を変えながらファンタジックな世界が展開されていきます。
ロシアがまだソビエトと呼ばれていた頃の政治的な、それに対する風刺的なシーンも、ある意味この作品がつくられた当時っぽくて懐かしかったのですが、それ以上に当時っぽくてまた興味深いなぁと思ったのは、その頃の日本に対する欧米諸国の印象がすごく明確に表れていたシーンです。
70年代前半は、高度経済成長を遂げた日本が世界での確かな地位を築いた時代だったと思うのですが、日本に対する誤った、というかビミョーにズレたイメージのオンパレードで(笑)。
バレンチノとバレンチナが日本にやって来た時に登場した天使、日本的な装いをしているという設定で描かれているはずの天使が、かぶっている笠といい、服装の感じといい、どう見ても日本のお百姓さんではなくベトナムの農夫のようないでたちだったり。その後に出てくる「サクラ、サクラ」を歌う日本女性が身につけている着物やバレンチナが着た着物、どちらも純然たる日本の着物というよりは、まるで中国や韓国の宮廷時代の衣装とミックスされたような雰囲気の着物だったり、といった具合に。
現在でも他のアジア諸国とのイメージの混同がかなりあるかとは思いますが、もう少しはマシになってるような気がします(笑)。 (ただ、ワタシたち日本人も、同じヨーロッパの中でも民族的にまったく異なるはずのイギリス人とフランス人を見分けにくいということもあるから、おあいこではあるんですが。)
そして、もうひとつ日本でのシーンに関して気になったのが、さまざまな映像が映し出されるテレビがそのまま頭になった日本人たちが行進していくシーン。
エコノミックアニマルと呼ばれて批判されていた当時の日本人を象徴した映像だ、みたいなことがキャプションの字幕には書かれていましたが、これってエコノミックアニマルというイメージへの風刺というよりも、もしかしたら日本人の現在に通じる「電脳」ぶりをイメージしたものではないのかなァと、個人的には感じました^^
以前、フランス人のあるアーティスト・ユニットが出した本を読んだことがあるのですが、彼女たちの目から見た日本の大都市の風景は、ビルのたたずまい、街並、看板などものすごく摩訶不思議(@_@)な雰囲気にあふれているそうです。 そういうことから考えても・・・放送されてるテレビ番組ひとつとってみても、ヨーロッパにくらべ、ある意味過激だったりユニークだったりすることもあり、ペイネ自身、日本に対してエキセントリックでフシギな国という印象を当時から抱いていたのではないかと勝手ながら想像させてもらいました^^
・・・以上が、個人的にオモシロいと感じた見所だったのですが、詳しい作品の内容やペイネのことを知りたい方は
コチラ
のページをごらんください★
2001年に映画館でリバイバル上映された時の、TV東京の「シネマストリート」というサイトでの紹介記事です。
あ、そうそう言い忘れましたが、この作品はバックに流れる音楽もすごくステキですヨ♪♪♪ テンダーな70年代テイストのメロディ、歌声がすごく気に入ってしまいました♪♪♪
さて、ここのところ他にやっていた作業があったため、すっかり更新がごぶさたになってしまいました^^;
もう1個のブログにも書きましたが、今週末にかけてこのブログを約1年前に開始して以来、初めての2泊3日のお泊り旅に出かけて来ます^^ 昨年まったく泊りがけの旅をしてなかったので、久しぶりで本当に楽しみです♪♪♪
帰りしだい旅の報告はさせていただきますので、楽しみに待っててくださいネ (^^)/
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