この間の土曜日の早朝、JR大阪駅に到着する寝台急行「銀河」の最後の姿を見に行って来ました。
昔からある急行列車、ブルートレインが続々と廃止に追い込まれている最近の事情。
他の電車の引退の時には行ってないのに、なぜこの「銀河」の引退の日には行きたいと思ったのかというと・・・ワタシがひとりで電車旅する楽しさを知り始めた今から4年ほど前にさかのぼります。
青春18キップを利用したり、その使用期間外の時期や時間に余裕がなくて新幹線や特急電車で行かないといけない時は「ぷらっとこだま」や金券ショップで買った割安のチケットを利用していたのですが、いつだったか駅のホームで電車待ちをしていた時に、隣のホームにちょっと古くてくすんだようにも見える青色の電車が入ってきたことがありました。
その頃のワタシは(今もあまり変わりませんが)、電車に関してはビギナーだったので、それがどんな電車なのかということはまったく知らず、ただその青い電車から降りて来るお客さんの数がとても少なかったこと、再び動き始めた電車の中に残っていたお客さんの数が回送電車かと思われるぐらい少なくてまばらに見えたことから、何だかとてもせつない気分になりました。
その電車の車体のプレートに書かれていたのが「銀河」という名前。シンボルマークの星の印。 以来、その文字通り銀河を思わせる紺碧の車体の色と、その名前がとても深く印象に残っていました。
残念ながら当時はまだ電車旅に興味を持ち始めて間もない頃だったこともあって、乗ってみたいというような気持ちを抱くまでにはならず、その後もこの2年ぐらいは東京方面に出かける機会がなかったことから、結局一度も乗ることがないままで終わってしまったのですが、旅の楽しさを知り始めたワタシに「老い」とか「せつなさ」といった人間に抱くのと同じような感情を感じさせてくれたこの電車を最後にひとめ見送りたいと思って、朝、大阪駅のホームで到着を待つことにしたのです。
待つこと30分以上、到着予定時刻よりもわずかに遅れて、細くてかん高い口笛のような最後の汽笛を鳴らしながら、銀河が駅に近づいて来ました。
写真を撮ろうと待ち構えているたくさんの鉄道ファンに配慮してか、思った以上にゆっくりのスピードでホームに入って来る電車。
「まだまだ動けないこともないけど、お役ごめんになったことだし、もうここらでゆっくり休ませてもらうよ」とでも言いたげな姿に、心の中で「お疲れ様でした」と声をかけました。
稼働率が30〜40%だったということですが、もう少しみんなにもっと乗ってもらううまいやり方はなかったのかと今さらながら思ってしまう。例えば青春18キップみたいに1年のうち一定期間だけ運賃を格安にするとか、月に何日かだけ格安料金の日を設けるとか。。。
鉄道マニアとまではいかなくても、ワタシのような電車旅が好きな人は結構たくさんいるだろうし、時間に余裕ができてゆっくり懐かしさと旅情を楽しむ旅がしたいという団塊世代の方なんかには好評だったと思うのに。こういうキャンペーンを展開することで、ワタシのような鉄道ビギナーにも、こういう電車があるんだなあって認知が広がるきっかけにもなるし。。。
コスト的にもしかしたらそういうことすらできなかったのかも知れないけれど、何でもかんでもコストダウンとか効率・スピード・生産性重視の名目で、旅情というお金で買えない気持ちの部分すら切り捨てられていってしまう。
ちょっと悲しいなあと思ってしまいます。
「銀河」という名前もとてもステキだったのに・・・。
今年中には個人的にも東京に行きたいと思っているので、その時は行きだけでも10数年前に乗ったトワイライトエクスプレス以来の寝台列車に乗って行こうと決めています。
「富士」とか「はやぶさ」のような旧来型のレトロな車両の電車がやっぱりいいかなぁ。でも「サンライズ」なんかいいかも。特に臨時でたまにしか運転されてない「サンライズゆめ」なんか名前もいいし^^
電車の中から見る夜明けが、希望を与えてくれそうな気がします☆
(お天気が晴れであることを祈りたい。。。^^;)
B面時間旅行 / トップページへ